【英訳あり】ドジャースタジアムの「76」って何?意味・由来と、スコアボードのオレンジのボールの正体

LA TRIP LOG VERIFIED
この記事の結論 (まとめ)
✓ ドジャースタジアムに掲げられた76はオイルブランドの広告
✓ 76ブランドは、今のドジャースタジアム建設に必要な資金を提供した企業のひとつ
✓ ドジャースタジアムでは、76のロゴが長い期間、球場に掲げられた唯一の企業ロゴだった

ドジャースタジアムで試合を観戦していると、スコアボードの上に大きな「76」の看板が見えます。

初めて見たときは、
「この76って何なんだろう?」

と思う方もいるのではないでしょうか。

2026年8月、私たちがデーゲームとナイターの2試合を観戦したときも、どちらでも目に入りました。

結論から言うと、ドジャースタジアムにある「76」はアメリカのガソリンブランドの広告です。

ただ、「76」には、単なるガソリンブランドの広告では片付けられない、少し長い歴史があります。

その数字はドジャースタジアムが誕生した1962年よりも前から、アメリカの歴史やUnion Oilという企業と深く結び付いていました。

この記事では、一次資料をもとに解説します。

著者情報

あお丸
Aomaru あお丸
ドジャースファン30代パパ・Webライター

海外旅行はこれまでに8回。
渡米経験はグアム、サンフランシスコ、ロサンゼルス。ロサンゼルスとドジャースをこよなく愛しています。

にこ
Nico にこ
旅行好きの30代ママ・Webデザイナー

学生時代から旅行が好きで、海外旅行は11回。
海外ディズニーが好き。カリフォルニアディズニーは2回。上海ディズニーもインパ経験あり。

なお、ドジャースタジアムの座席選びについては、ドジャースタジアムの座席選びガイドの記事で解説しています。

目次

ドジャースタジアムの76は、1962年の開場から続くガソリンブランドの広告

「76」は、もともとUnion Oil Company of California(ユニオン・オイル)が展開していたブランドです。

ドジャースはブルックリンにあったのですが、ロサンゼルスへ移転したのは、1958年。
ロサンゼルスで新しい球場の建設が進み、1962年にドジャースタジアムが開場しました。

実は、このスタジアム建設の時代から「76」とドジャースには関係がありました。

76はドジャースタジアム建設に資金を提供【MLB公式資料より】

MLBの公式資料によると、76ブランドは、Walter O’Malleyによるドジャースタジアム建設に必要な資金を提供した企業のひとつです。

The relationship between 76® and the Dodgers began when the brand stepped up to provide Walter O’Malley with the funding needed to construct the stadium following the move from Brooklyn to Los Angeles.

MLB公式『Iconic 76® logo back on top at Dodger Stadium 』

翻訳

76®とドジャースの関係は、ブルックリンからロサンゼルスへの移転後、ウォルター・オマリー氏がスタジアム建設に必要な資金を76®が提供したことから始まった。

そして、1962年のドジャースタジアム開場時から、「76 Ball」は球場に掲げられていました。

dodgerstadium-76ball
リザーブ席から見る76の看板

今もスコアボードの上にある「76」は、60年以上続くドジャースタジアムの風景のひとつです。

76を背景にLAポーズの家族

ドジャースタジアムに関係の深い76ブランドとは?

76(セブンティシックス)は、アメリカ西海岸を中心に使われているガソリンスタンドのブランド名です。

76ブランドのルーツ

76のブランドは、現在、石油大手のPhillips 66が所有しており、Phillips 66自身の企業史にも、

The 76 brand, long familiar in the western U.S., was created by Union Oil Company of California(later Unocal) in 1932.

PHILLIPS66 HP

と記載されています。

翻訳

アメリカ西部で古くから親しまれている「76」ブランドは、1932年にカリフォルニアのユニオン・オイル・カンパニー(後のユニカル)によって創設された。

76ブランドの由来と自由の所長

1958年8月にUnion Oilが発行した社内誌『SEVENTY SIX』には、「1776」というアメリカの歴史が関係していることを示す、興味深い資料が残っています。

Oil Union社内誌『SEVENTY SIX』

そこには「76」について、こんな説明がありました。

76 is a Union Oil Company of California trademark. It also symbolizes the American freedoms won in 1776…

SEVENTY SIX

翻訳

「76」はUnion Oil Company of Californiaの商標であり、同時に1776年に勝ち取られたアメリカの自由を象徴している

アメリカは1776年7月4日にイギリスから独立し、独立記念日になっています

Oil Union社内誌『SEVENTY SIX』3ページ目

つまり、「76」という数字は、単なるブランド名として付けられたものではなく、Union Oil自身が、1776年というアメリカの歴史と「自由」というイメージをブランドに重ねていたわけです。

あお丸

さらに、この自由がアメリカの産業の発展や豊かさを可能にした、という趣旨の説明も続いており、ここが、「76」というロゴを調べていて面白いところでした。

現在から見ると、ガソリンスタンドのロゴにしか見えない「76」ですが、その背景には「1776年」というアメリカの歴史が組み込まれていたのです。

昔はドジャースタジアムの中に「76」のガソリンスタンドまであった

さらに面白いのが、当時のドジャースタジアムには「76」のガソリンスタンドまであったようです。

現在のように、スタジアムの周辺にいくつもの企業広告が並んでいたわけではなく、ドジャースタジアムの駐車場には、実際に76のガソリンスタンドが設置されていました。

ドジャースタジアムとガソリンスタンド By Los Angels Times

当時はフルサービスのガソリンスタンドで、試合を見に来た観客が車を預けて、オイル交換などの整備をしてもらうこともできました。

試合前に車を預けて、観戦を終えて戻ってくると、車の整備が終わっている。
今ではなかなか想像しにくい、ドジャースタジアムならではのサービスです。

実際、Los Angeles Timesの記事では、1970年代にこのスタンドで働いていたRoy Gaspariniさんが当時の様子を振り返っている記述があります。

Every game, we’d have six people locking their keys in the car, two people having flats, seven leaving lights on and running down their batteries. You could count on it. People would come in with a blown radiator hose and we’d take their keys and tell them to go enjoy the game, that their car would be fixed and ready to go when they came out.

Los Angeles times 『How About a Fill Up With That Dodger Dog?』

試合のたびに、鍵を車内に閉じ込めてしまう人、パンクする人、ライトを消し忘れてバッテリーを上げてしまう人がいたそうです。

そんなときは車を預かり、
「試合を楽しんできてください。帰ってくる頃には車を直しておきます」
という対応をしていたといいます。

あお丸

ドジャースタジアムで、こんな体験してみたいです

ドジャースタジアムの「76」は長い間、球場に掲げられた特別なロゴだった

もうひとつ興味深いのが、当時のドジャースタジアムにおける「76」の存在感です。

Los Angeles Timesによると、かつてのドジャースタジアムでは、76のロゴが長い期間、球場に掲げられた唯一の外部企業ロゴだったとされています。

ドジャースタジアム「76」の歴史

For years, the orange 76 logo was the only outside emblem displayed at the stadium.

Los Angeles times 『How About a Fill Up With That Dodger Dog?』

簡単に訳すと、
「長年にわたり、オレンジ色の「76」のロゴは、スタジアムに掲げられた唯一の外部エンブレムだった。」

という意味です。

nextbatters-circle76
ネクストバッターズサークルも2026年は76でした
あお丸

今のドジャースタジアムを見ると、さまざまな企業の広告やスポンサー表示があるので、少し意外ですよね。

ドジャースタジアムができた当時から長い年月にわたって、「76」は球場の風景の一部として存在していました。
だからこそ、現在もスコアボードの上にある「76」は、単なる広告看板とは少し違った存在なのだと思います。

球団のリリースでも「最初期からのスポンサー」

2022年に、ドジャース財団と76がSTEM教育の支援で協力したときのMLB公式リリースでも、76は次のように紹介されています。

76® was an original sponsor of the Dodgers, and the brand remains a strong presence at Dodger Stadium with its iconic 76® balls sitting atop the Dodger Stadium scoreboards and its landmark service station in Lot 6 continuing to be used as an event space.

MLB公式『Dodgers Foundation and  76® team up to fuel access to STEM education in Los Angeles』

翻訳

76®はドジャースの創設当初からのスポンサーであり、ドジャースタジアムのスコアボード上部に象徴的な76®ボールが飾られ、駐車場6番にあるランドマーク的なガソリンスタンドがイベントスペースとして利用され続けるなど、ドジャースタジアムにおいて今もなお強い存在感を示しています。

また、この記事と同じ記事には、76が1962年からドジャースのスポンサーだったとも記載されており、2022年の時点でも、球団と組んだ活動が続いています。

2019年、スコアボードの上に戻った

dodgerstudium-daygame-76
2026年8月のデイゲーム

76のロゴは、2019年7月3日に、現在のスコアボードの上に再び取り付けられました。
球団は、両側のスコアボードの上という「開場時の元の位置」に76のロゴを戻したと説明しています。

The 76 ball, first seen during the inaugural season at Dodger Stadium in 1962, has returned to its place at the center of the scoreboard, showcasing the long-standing connection between the brand and the ballpark.

Beverly Press(ベバリー・プレス)

このときのイベントが、7月6日(7/6)を「76の日」に見立てた「7/6 Day」で、76がドジャースのスポンサーになって57年を祝うものでした。

ドジャースタジアムに行ったら、ぜひ「76」を見てください【まとめ】

ドジャースタジアムに初めて行くと、どうしても目が行くのはフィールドやスコアボード、ドジャースのロゴ、そして選手たち。

もちろん、それが一番の楽しみです。
でも、少し視点を変えて球場を眺めてみると、そこには60年以上前から残っているものがあります。

そのひとつが、スコアボードの上にある「76」。
最初は、「なんかの会社のロゴがあるな」くらいにしか思わないかもしれません。

私自身も、最初からそこにこんな歴史があるとは知りませんでした。

でも調べてみると、

1776年のアメリカの歴史。
Union Oilのブランド。
1958年のロサンゼルス移転。
ドジャースタジアムの建設を支えた。
そして1962年の球場開場。

これらが、ひとつの「76」という数字につながっていました。

次にドジャースタジアムを訪れることがあれば、ぜひスコアボードの上にも注目してみてください。

TVで何気なく見ていた「76」が、実はドジャースタジアムの開場当時から続く、球場の歴史そのものの一部だと知っていると、少し違って見えるかもしれません。

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